ロッテが来季の1軍打撃コーチとして、今季まで巨人で1軍打撃コーチを務めた村田修一氏(41)を招へいすることが23日、分かった。近く発表される予定。

2年連続2位で迎えた今季は、チーム打率が球団史上ワーストの2割3分1厘。シーズン5位低迷の原因となった。吉井理人監督(57)が就任し、来季の巻き返しへ得点力向上は必須。山口ら和製大砲候補の完全開花も含め「男・村田」に重要任務が託される。

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ロッテにまた新たな風が吹く。打力不足に悩んだ前政権が終わり、誰が打撃部門を立て直すか-。最重要ポイントの1つだった。これまでロッテとは縁がなかったセ界の大砲、村田氏に白羽の矢が立てられた。

球団史上ワースト打率はマーティン、レアードの不振が主因ではあった。4月に3試合連続で完封負け。補うべき若手も育ちきらず、助っ人の復調を待つしかない苦しい1年だった。今季、22歳の山口が16本塁打。ロッテの選手が高卒4年目以内に2桁本塁打を放ったのは、31年ぶりだった。和製大砲がなかなか育たないのは、球団にとって根深い問題でもあった。

OBではない村田氏が新たな血を注ぐ。福浦新ヘッドとともに、未経験のパ・リーグで喫緊の課題解決にあたる。同時に横浜、巨人でプロ通算360本塁打の理論と経験は、スラッガーの卵たちにこの上ない“教材”だ。山口や今季飛躍した高部以外にも、安田や藤原らが完全開花を待つ。打力次第で正捕手獲得に一気に近づく松川にとっても、大きな存在になりうる。今季2軍戦で長打を量産し、福浦ヘッドに「2人はずばぬけていた」と言わせた高卒2年目の“ダイナマイト”こと山本や、西川も村田氏と同じ右打者だ。

球団には3年後の25年に常勝軍団を作るビジョンがある。助っ人外国人の成績に大きく左右されない、基盤の強いチーム作りへ。村田氏へのミッションは、勝利と育成を両立させる重要なものになる。「男・村田」が力強く請け負う。

◆村田修一(むらた・しゅういち)1980年(昭55)12月28日、福岡県生まれ。東福岡では投手で98年甲子園に春夏連続出場。日大で野手転向し、東都リーグ歴代2位の通算20本塁打。02年ドラフト自由枠で横浜入団。07、08年本塁打王。11年オフにFAで巨人へ移籍し12年からリーグ3連覇に貢献。17年オフに巨人を自由契約。18年はBC栃木でプレーし、同年限りで現役引退。ベストナイン4度、ゴールデングラブ賞3度。08年北京五輪、09年WBC日本代表。引退後は19~22年巨人コーチ。177センチ、92キロ。右投げ右打ち。