球界の功労者をたたえる「2023年野球殿堂入り」が13日、野球殿堂博物館から発表され、エキスパート表彰で元阪神のランディー・バース氏(68)が選出された。外国人枠ができた1952年(昭27)以降の助っ人外国人としては、史上初の快挙だ。

85年に阪神を日本一に導いた吉田義男氏(89=日刊スポーツ客員評論家)が通知式に参加し、ゲストとしてスピーチを務めてバース氏の殿堂入りを祝福した。同年の西武との日本シリーズを振り返り、「7対3くらいで西武が勝つという下馬評だったんですけど、バースの1、2戦目の決勝ホームランで勝ちまして、日本一になった。ランディー・バースがいなかったらあり得なかったこと。感謝しております」と話した。

また、85年4月17日の巨人戦(甲子園)で3番バースの逆転3ランに続いた4番掛布雅之、5番岡田彰布(現阪神監督)のバックスクリーン3連発を回顧。「伝説といいますか、そういう意味の3連発ということで、そのカード3連勝したんです。それが大きな自信になって、阪神、広島、巨人の三つどもえの中で阪神が先手を取りながらペナントレースを勝ち進んだ思い出があります。39年前の話ですけど、鮮明に頭に浮かんで参ります」と振り返った。

85、86年と2年連続で3冠王に輝き、86年に記録した打率3割8分9厘はいまだに破られることのないシーズンのNPB最高記録。「これは立派なことであり、期間は短かったけど非常に日本の野球に貢献した、そういうバースであったと思っています」とたたえた。

今後については「政治に携わったり、農業したりしたんですけど、今も元気で頑張っておりますけども、これからの人生をエンジョイしてほしい」とエール。さらに「我々苦楽をともにした岡田がですね、今度は監督をやりますので、遠いアメリカからですね、いろんな意味で応援していただきたい」と投げかけた。