侍ジャパンの世界一奪還の旅はエンゼルス大谷翔平投手(28)とともに始まる。

栗山英樹監督(61)が26日、都内で会見を開き、3月のWBCに臨む登録予定選手30人を発表した。1次ラウンドの「カーネクスト2023WBC東京プール」。初戦となる3月9日の中国戦は大谷が先発し、同ラウンド最大の強敵、2戦目の10日の韓国戦はパドレス・ダルビッシュ有投手(36)の先発が有力だ。決勝までの7試合を逆算した“世界一ローテ”で頂点へと駆け上がる。

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初戦となる中国戦の先発について問われた栗山監督は「最終戦までの流れは、もちろん考えている」と力強く答えた。開幕投手を予告することはなかったが、決勝までの流れを頭に描く。「いろんな形がいっぱいある。野球は答えがない」と選択肢は多いが、開幕投手有力となっているのは大谷だ。「肝になる」と話す2戦目の韓国戦は、ダルビッシュの先発が有力。今後の調整次第で1、2戦目を入れ替える可能性もあるが、いずれにしても日本が誇る両輪で一気に勢いを付ける。

大谷は初戦に先発した後、中6日と十分に間隔を空け、16日の準々決勝で再び先発可能。2戦目のダルビッシュも、中5日で準々決勝に臨める。負ければ終わりの準々決勝。プールAを勝ち上がってくるのは、キューバか、台湾か、オランダか。決して簡単な相手ではない。両腕の初戦の状態を見てどちらかを先発させるか、あるいは2枚看板をぜいたくにつぎ込む継投案が浮上している。二刀流の負担を考えれば、開幕からダルビッシュ→大谷よりも、大谷→ダルビッシュの順番にし、大谷に1日多く登板間隔を与える選択肢の方が、より現実的となる。

準々決勝で投げた2人は、中5日で米国時間21日(日本時間22日)の決勝に三たび臨める。世界一になるために、開幕・2戦目→準々決勝→決勝と投げていく。大谷は登板しない試合は、打者として出場。投打フル回転で、3大会ぶりの頂点へ突き進む。

1次ラウンド残り2試合はロッテ佐々木朗、オリックス山本と、日本球界を代表する両右腕の先発が予想される。相手の力量と両投手の経験値から、11日チェコ戦は佐々木朗、12日オーストラリア戦は山本が順当とみられる。栗山監督は「全ての試合が大事になる」と気を抜かない。投手は1次ラウンド終了後と準々決勝終了後の2度、2人まで入れ替え可能。米国に乗り込む準決勝で、新たな選択肢が浮上することも考えられる。全ては決勝で勝つため。持てるコマを使い尽くす。

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