3月のWBCに挑む侍ジャパンメンバーが26日、正式発表され、第5回大会にして初めて、ソフトバンク投手陣からの選出が0人となった。ペイペイドームを訪れ、約3時間トレーニングした斉藤和巳投手コーチ(45)は複雑な心境を明かしながら、チーム内に日本を代表する投手が出現することを期待した。

3年ぶりリーグ優勝を狙うチームの一員としては「現場にいるものとしては選手がずっといてくれるので、それは助かりますけど」と冷静に受け止めた。だが、一野球人として「プロ野球の代表というところに自チームの投手が選ばれていないというところは、思うところはありますよ」と率直な思いも口にした。

自身はWBC出場経験がない。それだけに「そういう経験は手を挙げてもできるものではない。現に自分は1回もそういう舞台に立ったことがないのでね。そういう世界の見方は選ばれた人間しかできない。経験は財産でしかないので」と、世界で戦う重要性を説いた。

現役時代はエースとして君臨し「投手王国」と呼ばれた投手陣の黄金期を引っ張ってきた。今季のソフトバンクはエースの千賀が米大リーグのメッツに移籍し、過渡期となっている。「選ばれる選手が出てきてほしい。(代表に)出れば出るほどこっちは頭を悩ますことが出てくるけど、日本のプロ野球界のことを考えたらね」。鷹に新たな球界のエースが現れることを願った。【山本大地】

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