新助っ人、やるやん! 阪神ブライアン(B)・ケラー投手(28=レッドソックス3A)が14日、沖縄・宜野座キャンプのランチ特打に打撃投手として登板。来日後初めて打者に投げ、191センチの長身右腕がベールを脱いだ。

140キロ後半の直球にカットボールやスライダーなど変化球を合わせ、島田、原口、板山と対戦。打者計4人に対して23球を投じ、最速は148キロを計測。各選手から空振りも1つずつ奪い、安打性の打球は1本だけ。「いい形で投げられた。全部の球種を使いましたし、投げたいところに投げようとできた」と納得の表情を見せた。

指揮官を安心させる投球になった。先発ローテーション候補として期待がかかるが、キャンプ序盤はあまりブルペンに入らず、「そら不安ですよ。投げる姿を見てないんだもん」と岡田監督は不安を募らせていた。打撃ケージ近くでチェックした指揮官は「ストレートも、ええのがいってたなあ。思ったよりはよかった。右(打者)とか打ちづらそうやと思った。初めてにしては低めに投げようとする意識も感じたな。(打者は)打った感じボールが重いと言っとった。それはええことやな」と評価した。

視察した巨人・樽見スコアラーは「力投型と技巧派をミックスしたような、バランス型のピッチャー」と表現。打席に立った原口は「身長がある割には、縦の角度というよりも、横幅の角度の方が、右バッターとしては少し感じた。それは印象に残っています」と印象を語った。

今回の登板ではクイックモーションも試した。「クイックとか細かいところは日本の野球をする中で絶対に必要になってくる。これから、どのようなストライクゾーンなのか確認していきたい」。指揮官の信頼を取り戻し、これから実戦でアピールする。【波部俊之介】

○…先発に再転向する岩貞が、今キャンプ初めて打撃投手として登板した。1人目の原口に初球の直球を打たれ、左翼へ柵越え打を許した。続く板山にも初球を中前に運ばれたが、後続は抑え打者8人に対して安打性は2本。投球を見守った指揮官は「先発じゃやっぱりチェンジアップとか打たせて取るとかな、緩急を使わんと。まあそれを今ちょうどやっとるところやからな」と今後の調整に期待した。

○…好調原口が“2戦連発”で存在感を示した。フリー打撃で投手を務めた岩貞の初球、内寄りの直球を一振りで捉え、左翼の芝生エリアまで放り込んだ。12日の紅白戦では才木から左翼ポール際へのアーチを記録。春季キャンプ序盤から好調をキープしており、「今の段階で自分のスイングができているのはいいことかなと思います」。15日から始まる対外試合に向けて「内角への対応だったり、自分が練習でやってきたものの反応を見るのが楽しみ」と胸を高鳴らせた。

○…浜地が打撃投手を務め、打者6人に対し安打性1本、1四球にまとめた。今キャンプ初の打者相手の練習。力のある直球を軸に島田、板山らを手玉に取った。「思ったより投げられた。もっとレベルアップしてアピールしていかないと」。岡田監督は「俺も初めて後ろからバッターのあれ(反応)見たけど、真っすぐのタイミング取りづらいんやろな。(テークバックが)小さくて。その特長はプラスにしたらええけどな」と目を細めた。

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