通算284勝で阪急ブレーブスの黄金期を支え、中日監督も務めた山田久志氏(74=阪急・オリックスOB会長、日刊スポーツ評論家)が、山下舜平大(しゅんぺいた)投手(20)の投球を絶賛した。15日に宮崎キャンプのブルペン投球を視察。「次世代のエース候補」と太鼓判を押した。

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山下は今キャンプ4度目のブルペン入り。計72球を投げ終えた最速155キロ右腕は「先発の層は厚いですが、そこで投げるつもりでいます」と手応えを明かした。

20年ドラフト1位入団3年目。昨年11月末に両足くるぶし付近の骨の摘出手術を受け、年明けの1月から投げ始めた。1軍は未登板。そうそうたる投手陣にあって“新戦力”といえる逸材だ。

山田氏 このまま順調に育てばエースになる素材だ。体もでき上がってきたしフォームに無駄がない。球質が抜群で、ホレボレするストレートを投げる。1軍デビューも遠くないだろう。ただリリーフでなく、先発で育てるには、もう1つ球種が必要になってくる。

直球、カーブが主体の山下が「いろんな人にアドバイスを受けてきた」と開発している新兵器がフォークだ。この日は日米201勝右腕の野茂英雄氏(54=パドレスのアドバイザー)が宮崎キャンプを訪問。山崎颯とともに、フォークの極意を伝授してもらい手応えを得た。

山下 投げやすい。見せ球になっても、カーブ以外にも球種があることで投球の幅が広がりますから。

山田氏 いろいろ試して、合わなければまた考えたらいい。いくらストレートが速くても、ファウルにされると球数が多くなるからね。シーズンを通しての先発要員ということでなく、あるタイミングで投げて、少し間隔を置くといった育て方をするのがベターだろう。急がば回れ。また楽しみなピッチャーが出てきそうだ。オリックスに“投手王国”が築かれつつある。【寺尾博和】

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◆山下舜平大(やました・しゅんぺいた)2002年(平14)7月16日生まれ、福岡県出身。福岡大大濠では甲子園出場なし。20年ドラフト1位でオリックス入団。1軍登板なし。昨季はウエスタン・リーグで8試合、2勝2敗、35回1/3を投げて42奪三振、防御率3・31。名前の由来は20世紀前半の経済学者ヨーゼフ・シュンぺーター。190センチ、98キロ。右投げ右打ち。

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