エースが大炎上し今季ワースト10失点、初の0封負けを喫した。日本ハム上沢直之投手(29)が、5回1/3を投げ自己ワーストタイの9失点(自責8)と乱れ、今季初黒星を喫した。3回まで完全投球も、4回1死二塁で外崎に死球を与えた後に3失点。6回1死満塁から2者連続で押し出し四球を許すなど崩れた。

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狂いだした歯車を元に戻せなかった。上沢は3回まで無四球投球も、4回1死二塁で、外崎へのカーブがすっぽ抜け、頭部への死球となった。この回、3失点。さらに6回には、3連打や2つの押し出し四球などで失点を重ねて降板。「ただただ申し訳ない気持ちしかありません」と反省した。

9失点は、18年9月8日の楽天戦以来。当時は北海道胆振東部地震の影響で試合中止があり、練習も満足にできない状況下だった。今季は順調にローテーション入りも、3試合で15回1/3を投げ、既に13四球。与四球率は昨季の3・49から7・63とほぼ2倍にふくらんでいる。「こんなにストライクが入らない経験がない。記憶がある中で一番良くない。自分の力で打破しないと」と声を搾り出した。

打線が援護できなかったことも傷口を広げた。西武エース高橋相手に今季ワーストの1安打。初回に相手ミスもあり1死一、三塁のチャンスをつくるも、4番野村が三振、5番万波が三ゴロに倒れ無得点に終わった。野村は「相手のエースピッチャーから先にチャンスで取れなかったのが大きかった」。八木コーチは「あいまいな球種を選ばないで真っすぐならまっすぐと決めていったのだが。最初に3点取られて相手に余裕を持たれてしまった」。決定機を逃したことで、敵を勢いづけてしまった。

雨降って地固まる。大敗はしたが、まだ下を向く時期ではない。今カード勝ち越しの可能性は残っており、新庄監督も「こういう試合は切り替えやすい。明日はやってくれるでしょう」と前向き。やられた分はしっかり、チーム一丸で倍返しする。【永野高輔】

▽日本ハム建山投手コーチ(上沢の投球に)「まず本人が、自分が思うようなボールを投げられていない」

▽日本ハム清水(上沢をリード)「真っすぐが浮いていたので、どうしても変化球が多くなっちゃったというのはあった。直さん(上沢)があんなに制球が良くないのはあまりないので、うーんって感じです」

▽日本ハム清宮(チームは1安打で完敗)「ミスショットもあったので悔しい。僕たちが打って勝ってきているので、僕たちが打たないと勝てないと思います」

▽日本ハム万波(西武高橋について)「全部の球が良くて捉えきれなかった。今日の試合は終わったので、(次に向けて)ちゃんと準備したい」