西武の西川愛也外野手(23)が63打席ぶりに安打を放った。

「ケガもいっぱいしましたし、もう、なんか、ほんとクビになるんじゃないかって考えてる時もあったので。いまほんとにヒットが出て、すごい、ホッとしています」

20年8月以来の1軍公式戦での安打に、言葉通り、ホッとした顔をした。

プロ野球ワースト記録がかかる打席に注目が集まる中、守備でも心意気を示した。この日は中堅手としてスタメン。5回、8番西川のライナー性の打球に、前方へのダイビングキャッチを試み、見事にノーバウンドでつかみ取った。

開幕1軍入りへアピールを続けていた3月14日のオープン戦日本ハム戦(エスコンフィールド)でも、同じように中堅でダイビングキャッチに成功した。

しかし、そのプレーで右肩から脇にかけての場所を痛めていた。1軍を離れることになった。

「絶対に開幕1軍に入りたかったので、めっちゃ悔しくて…」

悪夢を想起させるような打球だったが、西川は迷わずに飛び込んだ。

「うーん、まぁ…。でも、行くしかないな、みたいな。とにかく落とさない、落ちる前に取りたかったので。そう考えたら」

自然と突っ込んでいた。花咲徳栄の先輩、右翼を守る名手・愛斗に負けないようなスーパープレーだった。【金子真仁】