日本ハムのドラフト1位、矢沢宏太投手(22)が強烈な「レーザービーム」でプロ初補殺を記録した。「9番右翼」でフル出場した西武5回戦(ベルーナドーム)の1回1死二塁の守備。右前打を捕球すると、ノーバウンドのストライク送球で二塁走者を本塁で刺した。2日に投手として2軍公式戦初登板を果たした二刀流ルーキーが、外野手として放った“連投”は、連勝が3で止まったチームに一筋の光をもたらした。

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矢沢が投手との二刀流らしく、強肩を発揮した。1回1死二塁で西武外崎の右前打を捕球すると、好送球で西武愛斗を本塁で刺した。先制点を阻む好プレーだったが、「回らないだろうと思った。刺したのは良かったですけど、あのくらいで回られるようだと…」。初補殺の喜びに満足するどころか、三塁を蹴って本塁を狙われたことに悔しさを募らせた。「回させないくらいが一番いい外野手。回られないような選手になりたいと思います」。投手、打者だけでなく、外野手としても高い理想像を口にした。

プロ初の「レーザービーム」は、伏見が構えたミットにドンピシャ送球だった。アウト判定に対して西武松井監督がリプレー検証をリクエストしたが、覆らなかった。送球にはスピードもあり、「ちょっと抜けた」と高めにずれたが、ノーバウンドで伏見のミットに収まった。新庄監督も「ちょっと高いかなって、送球が」とピリ辛な評価だったが、「初めての補殺を狙いにいって、ストライクが来た」と及第点を出した。

この2日間は投手と野手の両方でプレーし、“矢沢流”の輪郭ができてきた。前日2日は西武との2軍戦で公式戦初登板し、1回19球を投げて1安打2四球2失点も、投手として場数を踏んだ。この日の補殺で“2連投”。前日の登板では直球でストライクを取れず制球に苦しんだ場面もあったが、この日は右翼から一発ストライク。登板による体の張りを感じながらも、「問題なく1試合出られた。体力的には全然いいのかなと思います」。打席では5回に平良から右越え二塁打を放つなど、1安打1四球と2度出塁。打力だけでなく、守備力の高さも示した。【石井翔太】

○…4番野村がチーム唯一の得点を挙げた。4回に3番万波の二塁打の直後に先制の適時三塁打。「万波が得点圏のチャンスをつくってくれて、しっかりかえすことができたので良かった」と振り返った。6回は左前打を放ち、2試合連続で2安打&1打点をマーク。これで18打点となり、ソフトバンク栗原に並んで打点ランキングでトップに再浮上した。

○…先発したサブマリン鈴木が今季初黒星を喫した。1点リードの4回は四球で出した走者を、けん制悪送球(記録は失策)で得点圏に進めて同点とされた。5回も味方の失策から広がったピンチで決勝点を献上。「結果以上に内容が悪かった」と反省した。5回2失点も自責点0で防御率0・00は継続中だが、「全然気にしていない。自分のせいで点を取られていますし」と振り返った。

▽日本ハム松本剛(12試合連続安打で打率3割に復帰も7回無死満塁で投ゴロ併殺打)「今日は僕で負けました。明日はしっかり切り替えて勝てるようにします」

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