連敗トンネルを長引かせなかったのは、西武滝沢夏央内野手(19)の突破力だった。

アンダースロー右腕の日本ハム鈴木に対し、9番遊撃でスタメン。第1打席でいい当たりの中飛を放つと、5回の先頭で立った打席でも流れは続いた。

「2ストライクに追い込まれてたんで何とかしようと。追い込まれるまでは甘いところは思い切りいこうかなと。来たボールに対してそんなに硬く行くんじゃなくて、アバウトに行こうかなと思いました」

シュート系の球をしっかりセンターへはじき返すと、今度はしっかり安打に。その後、三塁まで進むと、3番外崎の弱めの二塁ゴロ。投球後にしっかり前傾姿勢を取りつつ、いわゆる「ゴロゴー」で生還した。決勝点になった。

「絶対、セーフになろうと。足が速いかどうかは自信ないですけど、でも思い切りの良さだったりは」

ベンチでは外崎が「夏央、ありがとう!!」と叫び、松井稼頭央監督(47)も「ああいう走塁はチームにとっても非常に大きい」とたたえた。「とにかく必死です」という19歳が、流れを変えた。【金子真仁】