「ヨッシー」のピンチを「ゆうま君」が救った。オリックスが今季2度目のサヨナラ勝ちで、今季最多の貯金7を手にした。2点を追った9回2死満塁から森の適時打で追いつき、なおも2死二、三塁で頓宮裕真捕手(26)が右前にプロ初のサヨナラ打。幼なじみのエース山本由伸(24)の3敗目を総力で消し、2位ソフトバンクとは2・5差をキープだ。

「ゆうま君」と「ヨッシー」と呼び合った2人の絆は、いくつになっても変わらなかった。実家は岡山・備前市のお隣さん。子ども時代の休日は「お隣の家の山本投手とキャッチボールをしていました」(頓宮)という思い出が2人の原点。一昨年は念願の開幕バッテリーを組み、この日は山本を救った。お立ち台で「この間も高橋光成投手に負けてるんで、何とか最後は消すことができたんで。森さんがその前に消してくれたんでほんとに助かりました」と喜んだ。この日と同じ西武高橋との顔合わせで、2-4で競り負けた4月22日の分まで思いを込めた殊勲打だった。

本職の捕手より、打力優先の一塁出場が続く。「試合に出られることが一番。与えられた場所で結果だけ出したいです」と試合出場と結果にこだわる。4月12日楽天戦で頭部に死球を受けた。自力で起き上がれず、担架で運ばれて退場。衝撃はヘルメットに吸収されたが、耳の後ろに激痛があった。それでも4日後には試合に復帰。投球にひるむ思いは、みじんもなかった。

投手への献身は常に心の中にある。8回2死満塁の一塁守備で、古賀のファウルを落球。「投手に申し訳ない。1球でも多く投げさせてしまったので、申し訳なかったです」と無失点で切り抜けた黒木にわびた。「ヨッシー」を助け、「ジョニー」黒木に報い、3カード連続勝ち越しの立役者になった。【堀まどか】

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