<DeNA2-9巨人>◇9日◇エコスタ

巨人門脇誠内野手(22)が「スーパースター」を打った。6回1死一塁。バウアーからプロ初本塁打を右翼席に運んだ。

創価大4年時だった。練習用グラブに「スーパースター」と刺しゅうを施した。プロ入りに強い危機感があった。「スーパースターになろうと。そのぐらいの気持ちをもってやらないと成長しない」。現状を変えるため、商売道具に野心をストレートに刻んだ。その文字を見て、気持ちを奮い立たせ、ドラフト指名された。

プロ入り後も、スーパースターが最高の教科書だった。キャンプから遊撃で坂本と練習を積み、時間を過ごした。「坂本さんはノックで腕がだらんだらんと究極の脱力をしている」と進化の糧を探し続ける。

お立ち台では「いつもありがとう」と父寿光さんへの思いを絶叫した。3歳の頃から男手ひとつで育ててもらった。目隠しスイング、竹棒テニスボール打ち、カートでの動体視力強化など父子の独特な練習が今の礎になった。その父は自身が高3年夏に仕事を辞め、奈良から東京に引っ越し、体作りも支えてもらった。プロ入り後は約200万の新車をプレゼントをしたが、活躍が何よりの恩返しになった。【上田悠太】