ラオウことオリックス杉本裕太郎外野手(32)が、甲子園で悲願のアーチをかけた。1-2の9回。頓宮の5号ソロで追い付き、2死から阪神湯浅のフルカウントからの150キロ速球を捉えた。左翼席めがけて飛んだ当たりにノイジーは動けず。堂々の確信歩きと昇天ポーズ、“おかわり”のガッツポーズでオリ党を沸かせ、23年関西ダービー勝ち越しを決めた。

派手なアクションには、理由があった。「甲子園でホームランを打ちたいとずっと思っていたんで。いい場面で打てて良かったです」。3年連続2桁弾は、忘れられないアーチになった。

杉本にとっても、甲子園は特別な球場だ。「高校(徳島商)の時は1年の時に来ただけで試合に出ていないんで、そんなに思い出はないんですけど、やっぱり好きな球場。日本一、応援がすごい球場だと思っているんで。ちょっとのまれそうになる時もあるんですけど。なかなかできない経験なので」と思い入れは強かった。

7回1死一塁の前打席は豪快なライナーを放つも、中堅近本の正面。「気分転換に」と、形状、重さは同じでもバットを変えた。気持ちを仕切り直し、決勝弾で実らせた。

打点も本塁打も5月26日西武戦以来16試合ぶり。「本人もずっと悩んでいただろうし、来てから打点がなかったというのは本人も一番悩んでいた。それで吹っ切れて違う方向にいけばいい。良かったと思います」。水本監督代行の声も弾む。劇的な逆転勝利で3カードぶりの勝ち越しを決め、最終カードのヤクルト戦(神宮)に向かう。【堀まどか】

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