西武長谷川信哉内野手(21)のひと振りが、試合の流れを変えた。

7連敗中で、この日も初回に3失点。打線はプロ初先発の広島河野の前に、3回まで無安打無得点。4回も連続三振で2死。マキノンが安打を打ち、7番長谷川に回った。外野が少し深く守っていたから、意識したのは軽打だった。

「結果的に、追い込まれてから少し高めの球が来たところを、1発で仕留められました」

左中間席に飛び込む4号2ラン。打線は5回にも渡部健人内野手(24)の2ランなどで同点、勝ち越しに成功し、ようやくチームの連敗が止まった。

軽打-。意識や打撃フォームとともに、人知れずバットも変えた。嶋1軍打撃コーチの助言もあり、軽めのバットにした。佐藤龍世内野手(26)のバットを3本譲り受け、使っている。巨人戦では坂本勇人内野手(34)からもバットを贈られた。

シーズン中ながら臆せず、むしろ貪欲に進化を求める。本塁打を4本打って、4つとも勝った。「勝ちにつながって、意味ある1本になりました」。渡部の1発も、終わってみれば決勝弾に。苦しいチーム状況がたった1試合で激変することはまずないが、成功体験の積み重ねが近未来につながる。【金子真仁】

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