広島が新井イズム全開で巨人に連勝し、11日以来の3位に浮上した。2回、負傷離脱から実戦復帰初日に指揮官自ら2軍の大野練習場に出向いて直接指導したデビッドソンの2ランで先制。4回は打撃内容を評価して使い続けた田中の適時二塁打で追加点を奪った。1点差を勝ちパターンに固定してきた中継ぎを中心に、最後まで守り抜いた。

3季連続最下位から、勝率5割で終えた交流戦が自信となっている。交流戦前のミーティング、新井監督の言葉にナインが沸いた。「小堺一機さんではなく、小島よしおさんでいこう。“何が出るかな”ではなく、“そんなの関係ねぇ”だ」。小堺一機を知らずキョトンとする若手もいたが、指揮官の思いは伝わった。受け身にならず、攻めの姿勢を貫いて、鬼門を突破した。

この日も2つのけん制によるアウト(1つの記録は盗塁死)やエンドラン失敗もあった。でも、そんなの関係ねぇ。新井監督は「どんどん攻めてほしい。結果は私が受け止めたらいいだけ。どんどん前に、前に行ってもらいたい」と選手の背中を押し続ける。3位浮上も、首位DeNAとはまだ4・5ゲーム差ある。でも、そんなの関係ねぇ。新井イズム浸透の広島は、勢いだけでは終わらない。【前原淳】

広島森(今季初先発初勝利)「初回からどんどん全力で行こうと思っていた。勝てたのはうれしいですけど、イニングを伸ばせるようにやっていきたい」

広島デビッドソン(7号決勝2ランに)「しっかりとセンター方向を意識した練習をしている。その成果がちょっと出たかなと思います」