新戦力がそろってデビューし、投打でアピールに成功した。中日からトレードで加入した郡司裕也捕手(25)が、1軍合流即スタメン出場で、初回の第1打席にチーム初安打となる中前打。一緒に加入した山本拓実投手(23)も、8回にマウンドに上がり、移籍後初登板を1回1安打無失点と好投した。チームは連敗も、新戦力を適所に融合させ、巻き返しにつなげる。

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先にアピールしたのは郡司だ。1回1死の移籍後初打席。オリックス山本の初球に反応した。154キロ直球を捉え中前へ。初対戦の好投手からチーム初安打を放ち「何が何でも初球から振ると決めていた。めちゃくちゃいいピッチャーの真っすぐをとらえられたのは、良かった」と手応えを口にした。

山本拓は8回に3番手で登板。先頭の杉本に中前打を許すも、続くゴンザレスを二塁併殺に斬ってとり、この回を3人で抑えた。167センチと小柄ながら、杉本への2球目には152キロを記録。「緊張したけど(捕手の)伏見さんがニコニコ笑顔で迎えにきてくれて落ち着けた。球速もいつも通り出ていたし、良かった」。エスコンフィールドに集まった2万5638人のファンに、コンビで最高の自己紹介を済ませた。

新庄監督は試合前、ブルペンで北山の投球を受けていた郡司に、背中越しに、こうささやいた。「きょう4番DHね」。指揮官は「驚いていたから『うそうそ2番』って言ったらホッとしていました」。いきなりの新庄節で気持ちを乗せられた郡司は「あれで落ち着けました」と感謝した。

山本拓は那覇での西武戦から同行しており、トレード発表の6月19日から約5800キロを移動。沖縄遠征中は小さなリュックに必要最低限の持ち物だけで動き、大きなスーツケースは千葉・鎌ケ谷から札幌の寮に送った…つもりだったが、手違いで新球場に届いていた。札幌入りした同29日は急きょ寮の近くで服とバスタオルを購入。着替えの“スクランブル”にも「飛行機でぐっすり寝たので体の方は何も問題なかった」と動じず、投球に集中した。

新庄監督は「(郡司は)全打席完璧。雰囲気あった。初球にかぽーんって。すごいっすよ。山本くんもね3人できっちり抑えてよかったですよ」。一度で2度おいしい、意義ある1敗となった。【永野高輔】

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