楽天に今季初となる月間勝ち越しをもたらしたヒーローは「結構、ええんす」と試合後に言った。

1点を追う4回。西武エンスから決勝の逆転7号3ランを打った辰己涼介外野手は、冒頭の言葉に補足した。「あの、エンスさんとは、相性が“ええんす”ねぇ」。昨季は8打数5安打(2本塁打)だった助っ人左腕との対戦。そんな好データを秀逸に表現し、報道陣の爆笑を誘った。

決勝弾を放った第2打席は「カットとカーブを待ってました」。捉えたのは内角高めの直球だった。「僕が一番びっくりした」。2回の第1打席は好機で全球変化球攻めを受けて見逃し三振。だから変化球を待っていたが、3球目の内角高めの真っすぐは「あそこだけは反応してしまうんで」。最高の結果となった。

中堅守備でも右へ左へ前へと縦横無尽に走り回って好捕を連発した。石井監督も「打って守って、よくやってくれた」とたたえたが、辰己は「ベンチが『ナイスプレー』とか言うんですけど、何がナイスプレーかわからない」と真顔で振り返った。でもそれで、ええんす。背番号8が普通のプレーをすれば、チームは勝利に近づく。【木下大輔】

▽楽天則本(7回2失点で5勝目)「入りはなかなかマウンドにアジャスト出来なかったけど、(投手コーチの)永井さんや(太田)光にアドバイスをもらいながら、うまく対応できた」