オリックスが執念で4連敗を阻止した。1点リードの9回裏に1死満塁のピンチを招くなど、試合終了までドキドキしながらつかんだ4試合ぶりの白星。中嶋聡監督(54)は「まあ、苦しむでしょ、最後まで」と胸をなで下ろした。

攻守に奮闘した若月健矢捕手(27)は勝利をかみしめた。「連敗すると勝つことの難しさはあらためて分かりました。1球の怖さ、大事さを再認識させられた3連敗だった」。粘りが僅差の勝敗を分けた。

若月の先制打から2点を奪い、なおも1死三塁で山足は遊ゴロ。三塁走者の若月は三本間で挟まれたが、日本ハム伊藤のタッチを絶妙な身のこなしでかいくぐり、本塁へ頭から突っ込んだ。「粘ってランナーを送ろうと思っていたら、ちょうどピッチャーが持っているところだった。なんとか粘っておけばと。ピッチャーが持つ方がミスも増えると思うので」。1度はアウト判定も若月が懸命にアピールし、中嶋監督もすぐさまリクエストを要求。判定は覆り、大事な1点が入った。

強力打線が直近の3試合は計1得点止まり。この日は長らく首位打者を守ってきた頓宮、主砲の杉本らを外し、前夜からスタメン4人を変更。足を使える選手を中心に策を打った。指揮官は「目に見えて疲労感があるのもいるでしょうし、調子が落ちているのもいるでしょうし。ただそんなことは言ってられない。どこで自分で戻すのか、そこはもがいてもがいてでもやらなきゃいけない」と言った。3連覇には全員の力が必要不可欠。目の前の勝利を求めながら、自らの力で再び奮起する時を待つ。【磯綾乃】

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