オリックス茶野篤政外野手(23)が、プロ初のサヨナラ適時打で熱戦に終止符を打った。

2-2のまま迎えた9回2死満塁。楽天安楽の直球にフルスイング。そのまま2球目、150キロ直球を完璧に捉えた。「打席に入る前から初球から行こうと思っていたので、振れたことがまずはよかったです」。初めての手荒い祝福に顔をほころばせた。

開幕直前に支配下登録され、開幕スタメンを奪取。一時は打率トップにも立ったが、調子を落として7月上旬に2軍へ降格した。大切にするのは積極性。中嶋監督からも長所を出すように逐一アドバイスをもらい、持ち味を取り戻した。

最後までもつれた激戦。7回の攻撃では紅林の帰塁が空過とみなされ、一塁ベースコーチの田口外野守備走塁コーチが、審判団へ猛抗議する一幕もあった。それも1プレーにこだわるからこそ。執念が1つの勝利につながった。

ルーキーのサヨナラ打は、球団では57年ぶりの快挙。仕事を果たしたルーキーに指揮官も「初球、1打席目だし、振って行くべきだなと思うので、しっかり振れてたので、良かったと思います」とたたえた。これで貯金20の大台に到達。さらに球団通算5500勝に王手をかけた。3連覇へ向けて、弾みのつく1勝となった。【磯綾乃】

▼ルーキー茶野がプロ初のサヨナラ安打。新人のサヨナラ安打は今年の森下(阪神)と村松(中日)がいるが、球団では阪急時代の66年に7月3日近鉄戦でサヨナラ本塁打の住友、8月5日近鉄戦でサヨナラ安打の長池の2人が記録して以来、57年ぶり。また、育成出身ルーキーのサヨナラ打は茶野が初めてだ。