西武の新外国人右腕ブルックス・クリスキー投手(29=ロイヤルズ)が3日、埼玉・所沢市のベルーナドームで入団会見を行った。

両手を前で重ね「こんにちは。わたしはブルックス・クリスキー、BKです。お願いします」と日本語で丁寧にあいさつした。昨季はDeNAで投げた。

補強期限ぎりぎりの7月27日に獲得が発表された。渡辺久信GM(58)が明かした。

「7月の終わりに主力が抜けたりしていたので、そこを補強するにあたって当てはまるピースを探したところで、日本での経験もあって名前が挙がってきたところです」

担当スカウトも6月に米国での投球を視察しており、獲得に至ったという。

今季は5月から左腕の佐藤隼輔投手(23)がいわゆる「勝ちパターン」の8回のマウンドを担い、佐藤が疲労から再調整になった後は、右腕の森脇亮介投手(31)が8回に投げることが多かった。

しかしその森脇が7月14日に登録抹消になった。右上腕動脈閉塞(へいそく)症のためで、全治は未定と発表された。関係者によると球界でも症例が少なく、実戦復帰へのプロセスも焦るわけにはいかない。最速が150キロ台半ばを超える直球に鋭いフォークボール。リリーバーの適性豊かなクリスキーにその役目が求められる。

渡辺GMは「先発もある程度安定してきているので、9回の増田につなぐ部分、ゲームの中でも一番厳しいところを担ってほしいなと思っています」と、新助っ人に必勝リレーの一角での活躍を期待している。

DeNAでは18試合に登板し、1勝1敗1セーブ4ホールド、防御率2・57だった。DeNAでは「走者が出た状態でのスライドステップ、クイックのスピードなど、走者をどれだけ自由にさせないかが非常に重要」と学んだという。今季も米国でそこへの意識を続行し、謙虚そうな右腕は「より良い投手になって戻ってこられたんじゃないかなと思います」と自信をかいま見せた。

渡辺GMは会見の冒頭に「本日はこのような猛暑の中…酷暑? どっちかな。酷暑の中、お集まりいただきありがとうございます」とあいさつした。より暑い8月に入り、開幕から投げ続けている投手陣の疲れも蓄積。ここで加わる新戦力の存在は大きい。

しかもクリスキーは米アリゾナ州スコッツデールの出身。砂漠も近いエリアだ。「気温はすごく高いけど、空気そのものは乾いているので。日本の夏はやっぱり暑いです」と苦笑しつつ、暑さそのものには比較的慣れている。真夏の獅子逆襲へ、熱い投球が期待される。【金子真仁】

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