敗れはしたものの、西武ボー・タカハシ投手(26)が力を見せた。

先発今井が8回125球の力投をし、1点ビハインドで迎えた9回、2番手としてマウンドへ。

「ブルペンから準備して、行ったら自分のベストピッチを投げようと思って行きました」

これまでは点差が開いた場面での登板もあっただけに、重要なマウンド。しかも4番セデーニョ、5番頓宮、6番宗と1発もありえる並び。「捕手のサイン通りに投げられるように心がけました。甘く入ったら打たれるので、そこをしっかり」。外野フライ3つでしっかり抑えてみせた。

クイックのように投げていた。それが逆に、最近は足を上げてからしっかりと間を作って投げている。「以前はそうやっていて。そっちのほうがしっくり来るかなと最近思って。自分の持ち味も発揮できるのでそうしました」。本塁打を打っている頓宮も、初球からタイミングをずらし、有利に進めた。

「打者のタイミングを外すというより、重要なのは自分のリズムです」

チームは最終的に追いつけなかったが、しっかりと己を表現し、役目を果たした。エンス、ティノコ、そしてボー。支配下投手陣の外国人枠争いがある中で、チームはさらに終盤戦に向け、右腕クリスキーを補強した。渡辺GMはセットアッパー候補としての補強だと説明した。

それだけに、この日の力投は大きなアピールに。

「チームはもちろん優勝を目指しているので、チームが勝てば何でもいい。問題ない。それが一番大事。そこにどんな形でも貢献したいだけです」

謙虚なボーは、それでも争いに勝ちたい。

「もちろん。もちろんです」

ブラジル出身の青年は、日本でできるだけ長くプレーしたいと願う。だから全力で投げる。【金子真仁】

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