オレを忘れちゃ困るジェイ-。日本ハム野村佑希内野手(23)が1点差に詰め寄られた8回1死で、貴重な左越え11号ソロを放ち、2連勝への流れを引き寄せた。

前日12日は清宮幸太郎内野手(24)、万波中正外野手(23)が2人で3発競演も、野村だけが柵越えならず。若き「日ハムロマントリオ」の1人として、終盤の勝負どころでアーチをかけ、存在感を示した。

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ロマントリオの波に、乗り遅れるわけにはいかなかった。8回1死、カウント1-1。野村はソフトバンクの4番手・松本裕のスライダーに反応した。「僕的にはちょっといいイメージがない投手だった。今までと同じではいけない。ヒットを打つというよりは、打席内容を変えたいというくらいの意識でいきました」。今季6打席で4三振を喫している苦手な投手を攻略。1球目に空振りしたスライダーを、左翼スタンド中段に突き刺した。

前日12日は、5回1死一塁で4番清宮が右越え9号ソロを放つと、続く5番万波も2打席連発となる18号ソロで続いた。6番野村は「2人が打っていることは分かっていたので。まあ、(安打)1本打っていましたし、点差もあったので、思い切り狙いに行ったんですけど、なかなか打球が上がらなかった」。結果は左翼への二塁打。マルチ安打を記録も、ロマン砲3連発を逃した鬱憤(うっぷん)を、しっかり晴らした。

この1発を新庄監督は、何となく予測していた。「その前の空振りも、いいポイントで空振りしていたから、空振りしたポイントで打てば大きいのあるんじゃないかなと」。前日2人で6打点と大当たりの「キヨマン」コンビがこの日は無安打に終わり、野村の1発に「でかい。マルサイン(OKサインと同じポーズ)出ました」と喜んだ。

万波のあいさつが「モス」に聞こえるところから、12日に森本外野守備走塁コーチが発案した、親指とひとさしを組み合わせM字をつくる「モス」ポーズ。前日は本塁打ゼロで味わえなかったベンチ前での「モス出迎え」も初体験。2試合連続マルチ安打に「自分の打撃をしっかり染みこませて良い形を作っていきながら、その上で結果を残した状態で、そこ(4番)にいければ」。同世代の仲間との競争が、大きな“モスベーション”になっている。【永野高輔】

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