ロッテの安田尚憲内野手(24)が、第105回全国高校野球選手権記念大会で躍動する母校の履正社(大阪)の後輩たちに負けじと、首位オリックスの背中を追う。

14日は日本ハム、楽天との敵地6連戦に備え、空路で北海道へ移動。「(13日の高知中央との2回戦は)朝からだったので試合を見られましたが、自分もすごく勇気づけられましたし、刺激をもらっています」。今月1日にマイク・ブロッソー内野手(29)が加入して以降は、本来の三塁ではなく一塁手としての出場が続いている。福浦ヘッドコーチらに指導を受けながら日々上達中。三塁手としての間隔が空いていることには「多少なりの不安はありますが、これまで培ってきた経験はそんなにすぐにはなくならないと思うので、どっちでいくにせよ良い準備が出来るようにやっていきたい」と前を向いた。

打撃では8月に入り23打数3安打と苦戦中だが、13日の西武戦では中前先制適時打を放つなど3戦連続安打で存在感を示している。甲子園で必死にボールを追う後輩たちの姿は、自身にとっても原点を思い起こさせてくれる1つの原動力だ。

母校は17日の第1試合で前年覇者の仙台育英(宮城)と準々決勝進出をかけて対戦する。「相手は優勝候補と言われているチームですけれど、大阪代表としての強さもあると思うので、後輩のみんなも悔いのないように自信を持ってプレーしてもらいたいです」。今回は選手らが着用するTシャツ寄贈なども含めエールを送った。

吉井理人監督(58)も「安田は一塁を守っているほうが格好良く見えますね。これは私の感想なので」と冗談交じりに、新たなポジションで奮闘する姿をたたえた。これまでもブロッソーとの併用を明言してきたが、一塁と三塁の入れ替えも含め「もちろんあります。もしかしたら、どっちかが休んでどっちかが三塁みたいなこともある」と今後の起用法を示した。

安田にとってもチームにとっても、リーグ優勝に向けてとりこぼすことの出来ない下位チームとの6連戦となる。首位とは5・5ゲーム差。高校時代はヤクルト村上、日本ハム清宮と並び「高校ビッグ3」と称された安田のバットが、暑い夏の勝利を導く。【鎌田直秀】

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