日本ハム今川優馬外野手(26)のいろいろな思いを乗せた打球は、場外へ消えた。

14日に出場選手登録を抹消され、2軍へ合流したこの日は「4番右翼」でフル出場。3打席凡退で迎えた9回の第4打席で左翼場外へ2号2ランを放った。「3打席目まで(2軍降格を)ちょっと引きずっている自分がいるのかなって思った打席内容。最後1本出たのはうれしいんですけど、それ以上に、またこっち(2軍)に来てしまった悔しさの方がまだ大きい」と率直な気持ちを明かした。

13日ソフトバンク戦(ペイペイドーム)が終わると、2軍再調整を通達された。悔しい気持ちを抱えながら、福岡から移動したのは北海道。「荷物が結構札幌にあったので(鎌ケ谷へ)持って帰るために」。その際に札幌市内にある実家にも立ち寄ると、胸を熱くする出来事があった。「家族も僕以上に悔しがっていた。家族のみんなを喜ばせてあげたいなって思いながらずっとやっているので。両親、泣いていましたし、それを見て、もっと頑張らなきゃなって。悔しいですけど、でもこうやって野球をやらせてもらっている以上は楽しく、僕もプロ野球選手なので応援してくれているファンの方もいますし、楽しく、そこだけは本当にやりたいです」。

だからこそ、この日は「本当にやってやる」と意気込んで臨んでいた。1軍では主力の野村佑希内野手(23)が10日から左翼を守るようになり、外野手争いはますます激しくなっている。今川も「厳しいです。出られるところがシンプルにない」と危機感を感じている中での降格。「代打でも、僕はバッティングだと思う。1軍でファイターズのために何かできるようにやっていきたいです」。次は応援してくれる人たちに、うれし涙を流してもらえるように“執念”でもう1度チャンスをつかまえてみせる。【佐瀬百合子】

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