<日本ハム6-0ロッテ>◇16日◇エスコンフィールド

“大王”が新本拠地でよみがえった。日本ハム王柏融外野手(29)が、新球場初出場初打席で復活の2点三塁打。16日ロッテ戦(エスコンフィールド)の2回、1点先制してなお1死一、三塁から、ファーストストライクを左中間へ運んだ。昨オフに事実上の戦力外を受け、育成選手として契約し、日本球界に再挑戦。地獄からはい上がった台湾の英雄が、持ち前の巧打でチームを今季3度目の4連勝へ導いた。

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王柏融は“台湾の大王”に戻ることを誓って、育成選手として再スタートを切った。

春季キャンプ初日。今季から就任した佐藤友亮2軍野手育成コーディネーター兼打撃コーチと話し合って「一番いい自分の姿に、また戻そう」と明確な目標を立てた。台湾・ラミゴ時代に2年連続で打率4割を記録したような打撃を取り戻すための二人三脚プロジェクトだった。

同コーチから丁寧に狙いを説明された王柏融も“大王復活”へ、やや遠回りになっていたバット軌道の修正など地道な練習を重ねてきた。同コーチは「今までの苦労は、僕と彼しか分からないこと」とした上で「彼もすごく一生懸命、取り組んでいた。特に(支配下登録の)期限が決まっていた中で、きつかったと思います。よく頑張った」と言い、王柏融も「佐藤コーチといろんなことをやって、毎日修正しながらやっていって今の形になった」と感謝する。

1軍昇格を果たした王柏融に同コーチは「堂々とやってこい。やることはやってきたから、あとは楽しんでやりなさい」と伝えた。“台湾の大王”として1軍へ戻った王柏融が、送り出された言葉通りに堂々と結果を出した。【木下大輔】

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