夏の甲子園優勝経験を持つ西武西川愛也外野手(24)が、聖地での興奮を振り返り、23日の決勝でぶつかる仙台育英と慶応の両校にエールを送った。

西川は17年夏、花咲徳栄(埼玉)の3番打者として大会通算9安打10打点を挙げた。チームを初の全国制覇に導く大活躍も「全く覚えてないんですよ…実感は今もなくて」と笑って6年前の夏を振り返った。

優勝以上に記憶に残っているのは16年春のセンバツだ。1回戦の秀岳館(熊本)戦で4番左翼でスタメン出場。第2打席で3球目の直球を右前に運び、甲子園での初ヒットを放った。しかし初の大舞台でアドレナリン全開の西川は打席の記憶が飛んでいた。試合後の取材で事件は起きた。記者にどんな球を打ったのか聞かれると「適当に『初球のスライダーを打ちました』って答えました。ゾーンに入ってて記憶がなくて…でも映像見たら全然違って」とクスッと笑えるエピソードを明かした。「でも甲子園はそれくらいの場所ですよ」と話すと表情は一変して引き締まった。聖地の土を3度も踏んだ男の言葉は力強かった。

仙台育英と慶応ナインに甲子園優勝経験者としてエールを求められると「いやいや僕がエールなんて…」と前置きした上で、「(高校3年生にとって)甲子園の決勝は一生に一度しかないかもしれないので、頑張るしかないです」と高校球児のような無邪気さも残る笑顔で締めくくった。【黒須亮】

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