日本ハム田中瑛斗投手(24)が出直しを誓った。今季初登板初先発したロッテ戦(ZOZOマリン)は3回1/3を6安打4失点でKO。5四死球と制球が乱れ、試合をつくれなかった。新庄剛志監督(51)は試合後に2軍降格を明言した。チームも競り負けて3カードぶりの負け越し。ロッテに5年連続でシーズン負け越しが決まった。

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田中瑛は厳しい言葉で自分を責めた。「自分の球をコントロールできなかった。相手と対戦できていなかった。話にならないです」。右肩痛を乗り越えて、ようやくつかんだ今季初登板初先発の舞台。歯車が狂ったのは1回2死無走者の場面。中村奨に投じたシュートが抜けて死球を与えた。 田中瑛 その後…気にはなっていないですけど、あまり(右打者の内角へ)攻めにくくなった。フォアボール、デッドボールを減らそうとリスクのある球をなるべく避けて…それが良くなかったのかもしれない。

2回は先頭の岡へ四球。1死一塁から田村に中前打を許し、2死一、二塁で友杉に中前適時打を浴びた。3回は中村奨に11号ソロを被弾。4回は再び中村奨に10球粘られて、この日4つ目の四球を与えたところで降板。ここまでの登場人物はすべて右打者。内角を突くシュートを使えず、2回までの3点援護を吐き出した。新庄監督も「彼はもっともっとシュートを右打者に使っていかないと抑えていけない」と指摘した。

ただ、ポテンシャルの高さは示した。悩まされた右肩の痛みは、関節を動かす際に骨や筋肉が衝突することで生じていた。いわゆるインピンジメント症候群で、一時はドアの開け閉めで痛みが走るほどだったが、右肩周りの筋肉を徹底的に増強することで克服。新庄監督も「田中君も球自体は悪くなかった」と振り返ったように、最速152キロの直球も力強さを戻した。

だからこそ、失敗を恐れて失敗を招いた結果は悔しい。田中瑛は「改善することがたくさんある。課題を1つずつ、つぶしていきます」。大きな荷物を持って、球場を後にした。【木下大輔】