広島森下暢仁投手が7月12日巨人戦以来となる今季2度目の完投勝利で8勝目を挙げた。

残暑厳しい中でのデーゲーム。9回まで116球を投げ、7安打を浴びながら1失点にしのいだ。「最近は点を取られていたんですけど、粘り強くできました」。最後まで1人で投げ抜き、大粒の汗を拭った。

立ち上がりは投げ切れた球がボールと判定されるなど、2回まで球数35球を要した。2回無死一、二塁でボールが続いた場面、捕手会沢が取った間で落ち着きを取り戻した。後続を切り、3回は3者凡退。「打者と勝負していきながらカウントを悪くしたりすることもあったが、いいカウントになる前に相手が打ってくれた」。3点リードの4回にソロを浴びたものの、その後も走者を背負いながら要所を締めた。

チームの連敗を止め、夏場の連戦で登板過多の中継ぎ陣を休ませた。九里が中4日で先発する3日中日戦に総動員できる状況を整えた。新井監督は「本当に助かりました。素晴らしいピッチングだった」と最敬礼。チームを救う完投にも、森下は「勝つしかない。チームがやるべきことをやって、いい結果が付いてきたら」と冷静に次回登板を見据えた。【前原淳】