今季から先発に挑戦している西武平良海馬投手(23)が、転向1年目にしっかり2桁勝利に達した。

「あんまり実感はないんですけど、気にしてることでもないので。本当に運良く、形式というか、とりあえず10勝できたなって感じです」

平良らしく淡々と話す。この日は7回3安打無失点。打者1巡目、2巡目は相手の7、8、9番の計6打席を全て空振り三振にし、圧倒した。夏場には回復も早くなり始め、リリーバーとして絶対的な存在だった昨季までのような制圧ぶりも。「全体的に慣れてきてるので、本当にいい傾向かなと思います」と話す。

昨オフに先発転向を志願した。就任1年目となる松井ライオンズにとっても、大きな戦力構想の変更になった。松井監督からはキャンプイン早々に「先発のチャンスをつかんだからそこで失敗したら、とかは考えずに存分にやってくれ」と背中を押された。

新たにツーシームを投球術に取り入れた。自身のデータを読み取り、高め直球を武器として公言した。この日もそこで三振をいくつか奪った。この日の試合後も「低めにひっかけたりしたところは打たれてしまってたので、低めに投げるべきじゃないなと思いますね」とはっきり口にした。

この日の7回9奪三振で、奪三振率も9・36から9・48に上昇した。20試合に先発し17度のQS(6投球回以上自責点3以内)を達成。規定投球回にも残り12イニングで到達する。ともに自主トレをした高橋光成投手(26)の背中を追いながら、近未来の“エース”の称号も見えてくる。

「最近はゼロでずっと続いてるんで、それが続けば、本当にエースって言われる…ま、誰かが勝手に呼ぶものなので、そう呼ばれるようになりたいですね」

最後まで淡々と話しながら、帰りのバスに乗った。

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