阪神近本光司外野手(28)がお立ち台で叫んだ。締めの言葉を求められ「バモーーース!」。同僚原口の決めぜりふを拝借し、甲子園を盛り上げた。

2回に一挙4得点のトリを飾る2点適時二塁打。3日のヤクルト戦で死球を受けた影響で2試合続けてベンチを外れていたが、前日8日にスタメンに戻った。これで7試合連続安打。周囲も安心だ。

「『ここ打つんや』と思いながら。最高の結果だったので、気楽に(打席に)入ることができました」

2回の打席の直前、大竹へのバスターのサインに、そんなことを思っていた。1死二、三塁で捉えたのは森下の内角148キロ。どん詰まりで左前に落とした。「イメージの中ではこうなったらこうなるっていうのはあったので、別に意図してないわけでもない」と決してきれいではない一打を分析。岡田監督は「もう普通やろ。最低外野フライでもうまいこと点が入るっていう打ち方するもんな、やっぱり」と、リードオフマンの技術をたたえた。

1番打者として今季52打点は、69年藤田平に並び球団歴代6位タイ。入団5年目以内の安打数は760とし歴代1位の巨人長野久義に7本、同2位長嶋茂雄に3本と迫った。「あと16本くらいあるんかなと思ってた」と驚くと「こだわりはない」ときっぱり。3つ減り「7」となった優勝マジックについては「意識しないわけないでしょ。でもやることは一緒。CSがあるし、1戦1戦頑張ります」と前を向いた。【中野椋】

<ノイジー2回V打お立ち台>

決勝打はノイジーだ。甲子園では5月28日巨人戦以来、3度目のお立ち台。満員のスタンドを見渡し「最高ですね。楽しんでますし、今までプレーした中で一番のファンだと思っています」と話して喝采を浴びた。2回無死二塁で広島先発の森下から右前へ先制適時打。自身の背番号7と同じ7連勝でマジックも7。「子どものころ、一番の親友のお気に入り番号が7だったので、それを着てプレーするのはいいことかな」と会心だった。

<森下頭打撲大丈夫打>

前日8日広島戦の守備中に頭部に打球が当たり途中交代した森下が「3番右翼」でフル出場した。「大丈夫です。打撲的な痛みだけ」。5回広島森下から左翼へ安打を放ち、5戦連続安打。森下からは今季2本目で「全然打てていなかったんで、なんとか今日1本出てよかった」と笑顔だった。

<佐藤輝2回猛攻口火打>

佐藤輝が猛攻の口火を切った。2回先頭で広島森下から右中間二塁打。ノイジーの適時打で先制決勝のホームを踏み、この回4得点に貢献。打率3割と好調だった8月に続き、9月も3本塁打を放つなど好調を維持している。優勝マジック7について「まあ落ち着いていきましょうよ。(あえてそう意識?)いや、これはいつも自分の中で言ってることで、普通に」。アレの瞬間まで平常心で突き進む。