15年目のベテラン、日本ハム中島卓也内野手(32)が5月20日オリックス戦以来4カ月ぶりに盗塁を決め、NPB史上79人目の通算200盗塁に到達した。

今季は5月に左腹斜筋肉離れで戦線離脱。19日に約4カ月ぶりに1軍復帰したばかりだが、しっかり15年盗塁王の力量を発揮した。9回には今季初犠打を記録し通算254犠打に伸ばし3点目をお膳立てするなど、連敗ストップに貢献した。

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渋いプレーを積み重ね、勝利を引き寄せた。2回1死で迎えた最初の打席で中前打を放ち出塁。2死一塁、郡司の打席の初球でスタートし、際どいタイミングだったが、捕手の送球も視界に入れ、タッチをかわし成功させた。「スタートがあまり良くなかったので微妙なところだったんですけど。ちょっと送球が高くなったので、なんとかセーフになって良かったです」。今季2つ目の盗塁で、節目の数字に到達した。

5月に左腹斜筋肉離れで戦線離脱したこともあり、1軍での出場は10試合目と少ないが、19日西武戦(ベルーナドーム)で4カ月ぶりに1軍出場し1安打。この日の中前打で出場2試合連続安打となった。5回の守備では中前に抜けるかと思われた楽天辰己の打球を、二塁寄りに位置取り、難なくアウトに。9回無死一塁ではすかさず犠打を決め3点目を引き出すなど、状況を見据えたプレーで、魅せた。

自身の能力を客観視できているからこそ、たどりついた数字だ。「(西川)遥輝とか、周東君みたいにべらぼうに足が速いわけでもないので、僕の中で配球を読んだりとか、アウトにならないように走っているつもり」。確率を上げるため、頭を使った。「クイックが速かったら偽装だけとか。いるだけでも相手は嫌だと思う。その中でも変化球のカウントとかは思い切っていこうという感じで。読みながら走ったり」。相手心理を読み、嫌がられるプレーに、こだわり続けた。

残り10試合。同じ福岡出身で、ともに自主トレを続けていた田中賢介スペシャルアドバイザーの203盗塁に、あと3と迫った。「超えられたらいいですね」。新庄監督には「250ぐらい目指してもらったら」とさらに高みを要求され「まあ頑張ります」と苦笑い。ひたむきに次の塁を狙い、若いチームを背中で引っ張っていく。【永野高輔】

▼通算200盗塁=中島(日本ハム) 22日の楽天21回戦(楽天モバイルパーク)の2回に二盗を決めて達成。プロ野球79人目。初盗塁は11年4月24日の楽天3回戦(ほっともっと神戸)。

【動画】日本ハム中島卓也が200盗塁達成 ベテランの技術が詰まった盗塁