楽天が“負けない男”で2位に浮上した。ドラフト1位ルーキー荘司康誠投手(22)が5回9安打を浴びながらも2失点でまとめ、5勝目を挙げた。チームも4月5日以来の貯金1で、この日敗れたソフトバンクと同率で並んだ。荘司は「序盤からたくさん援護をいただいた。楽に投げられたので、野手のみなさんに感謝という感じ」と先輩たちに頭を下げた。

不敗神話ができつつある。7月5日オリックス戦でのプロ初勝利まで、初登板から9試合を要したが、そこから5連勝。13試合連続で黒星がついていない。「負けていないということは、大きく試合を壊していないという風にも取れる。なんとか粘っていれば、逆転してくれると思っている。点を取られても、できるだけ少なく次につなげられれば」と力を込める。防御率も3・36と安定。1年目から先発ローテーションを回り、仕事を果たしている。

試行錯誤が安定感を呼んでいる。自己分析と、学んだことをかみ砕いて実行に移せるクレバーさがある。練習中から先輩の投球動作、調整法などを観察し、すぐに試している。シーズン終盤の緊張感あるマウンドでも忘れず、開幕前に掲げた5勝もクリアした。「順調にステップを踏んでここまで来られたと思う」と手応えをつかんでいる。

のびしろしかない22歳。激しい順位争いを勝ち抜いた先には、CSでの登板も見えてきた。日々成長を続けるドラ1の大器が、チームに勝利を運ぶ「ジョーカー」となる。【湯本勝大】

【関連記事】楽天ニュース一覧はこちら―>