最強ボディーで連覇! 阪神湯浅京己投手(24)が7日、高知・安芸市で開催中の秋季キャンプに向け、移動した。8日から合流。若手主体のメンバーで、実績のある右腕の参加は異例だ。今季は右前腕筋挫傷、左脇腹筋挫傷と度重なる故障で戦線離脱。日本シリーズで復活し38年ぶりの日本一に貢献したが、個人成績に満足はしていない。負傷ゼロを目標とした肉体改造を施し、実りの秋にする。

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湯浅が自らに宿題を課した。最後は日本一の歓喜に包まれた1年だが、度重なる故障離脱から目を背けるわけにはいかない。

「今年は本当にけがが多かったので、けがをしないように。トレーニングで強化をしながら、体作りも食事も意識してやれれば」

8日から高知・安芸市での秋季キャンプに合流する。昨季、そしてWBC世界一の活躍、日本シリーズでの奮闘を考えれば、シーズン終了直後のキャンプへの参加は異例ともいえる。ただ、和田2軍監督は「湯浅なんか、もっとやらないといけないってことだよね」と説明。右前腕と左脇腹の筋挫傷に苦しみ、1軍登板は15試合。誰よりも湯浅が「いろんな面から丈夫な体につくりあげていきたい」と意識している。

テーマの1つが、負傷ゼロの肉体への改造。その根幹は食事にある。「自分に合うものをトレーナーさんと栄養士さんと話してシーズン中もやっていた」というが「キャンプから違うものも試そうという話もしている」と新たにトライする可能性も浮上した。

さらに、侍ジャパンで共闘したパドレス・ダルビッシュから教えてもらったサプリも飲んでいる。3度の腰椎分離症を乗り越えた男だ。「意識が低くはないと思うんですけど」としつつも「追求しようと。できるだけ食事で(必要なエネルギーを)とれるように」と向上心は尽きない。

キャンプでは「投げます」と投球練習と同時進行で体をつくる予定。理想は「軽いから良い、重いから良いというのはない。質のいい、自分の動きやすい体です」。現状83、84キロの体重を増やせばいいというわけではない。自らのベストな感覚を追い求める。

日本シリーズでは第4戦で「1球火消し」でサヨナラ劇を呼び込み、第5戦では1回無失点で逆転劇を演出した。来季のポジションはセットアッパーか抑えか未定も、空気を変える力を持っている右腕は貴重な存在だ。「良いことも悪いこともあった。この経験を来年以降につなげたい」。まずは、土台となるボディーを作り上げる。【中野椋】

<今季の湯浅>

▼3月 WBCで世界一に貢献

▼4月16日 開幕1軍も右前腕の張りで出場選手登録抹消

▼6月15日 オリックス戦で1点リードの9回に2被弾し救援失敗。翌16日に出場選手登録を抹消

▼7月10日 右前腕筋挫傷で、ファン投票で選出されていた球宴の出場を辞退

▼7月30日 2軍広島戦で左脇腹を負傷

▼10月1日 2軍広島戦で実戦復帰し1回無失点

▼10月31日 1軍合流。みやざきフェニックス・リーグでは5試合無失点。

▼11月1日 日本シリーズ第4戦、3-3で同点の8回2死一、三塁で登板しオリックス中川圭を1球で二飛に仕留める。チームは9回にサヨナラ勝ち。

▼11月2日 日本シリーズ第5戦、2点ビハインドの8回に登板し3者凡退無失点。直後にチームは逆転に成功。

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