DeNA戸柱恭孝捕手(33)が、今季取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使せず、残留することが濃厚なことが13日、分かった。

1年目から124試合に出場し、プロ8年間で通算600試合に出場。打てる捕手は希少価値も高く、FA宣言すれば他球団が獲得に名乗りを上げることも予想されたが、DeNAへの思いが勝った。

FA権行使について、熟考を重ねた末に球団の熱意に応えた。シーズン中から交渉を進め、球団側は複数年契約を提示。当初からチームへの愛着と感謝を感じながら、野球人生最大とも言える決断へ心は揺れた。チームの未来を考えた時に、自らの力は必要なのだろうか。思いが強すぎるゆえに、考えれば考えるほど悩みは深まった。

自問自答の日々の中、入団時に夢見たDeNAで「優勝」の2文字が心を大きく占めた。今季は70試合に出場し、打率2割4分2厘、5本塁打、19打点。シーズン後半は出番が限られた中、自らの意思で一塁の練習も始め、チームのピースになることに努めた。「優勝したいんです」。シーズン中、繰り返した言葉を「横浜」で成し遂げる。