“球界のカズ”を目指す。日本ハムのドラフト1位、東洋大・細野晴希投手(22=東亜学園)が17日、同大学で仮契約を結び、契約金1億円プラス出来高、年俸1300万円(金額は推定)で合意した。誕生日がサッカー界のカリスマ、カズ(三浦知良=56)と同じ2月26日。日本だけでなく現在プレーするポルトガルでも最年長出場を更新し続けるレジェンドにならい、長く世界で戦える投手を思い描いた。

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細野が世界に通じる長く険しい道を、登り始める。ドラフトから約3週間。まずは仮契約が済み「もうこれからプロでやるんだという思いが、強くなりました」。ドラフトでは国学院大の武内、中大・西舘ら同じ東都大学リーグのライバルの名前が先に呼ばれたこともあり「悔しい思いもした。やってやるぞという気持ち」と強い口調で話した。

このオフから体を鍛え、年を経ても一線で戦い抜くための基礎をつくる。見据えるアスリートは、誕生日が同じ“キング”カズ。「(誕生日が)一緒なのは知っていた。長くやるって言うのは大事。40歳ぐらいまでちゃんと投げられたら幸せなことなんじゃないかと。長く出来るように、しっかり体作りとか、やっていきたい」。日本だけでなく世界にも名をはせる鉄人を、思い描いた。

球団も将来、大谷のように、日本の先頭に立って勝利を呼び込める逸材と、期待している。大渕スカウト部長は「独自の世界を持っている。プロとしては重要。中途半端にその辺の山を登るのではない。裏山じゃなくて世界に通じる大きな山を登る。だから準備も違うよね、という話をした」。焦らず地道に力を付けさせ、世界最高峰“チョモランマ級”の投手へと、育てる方針だ。

大きな使命を果たすには、目の前の小さな道しるべを着実にクリアしていくことも大切。1年目について細野は「少しでもチームに貢献できた結果が、新人王であったり他のタイトルにつながれば、いいなと思う」。アマ左腕最速158キロ。高いポテンシャルをプロで磨き上げ、世界の頂に立つ。【永野高輔】

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