広島大瀬良大地投手(32)が25日、年内のマツダスタジアムでの右肘のリハビリトレーニングを打ち上げた。10月27日に「右肘滑膜切除」の手術を受け、11月9日に抜糸。それ以来、本拠地で前腕や下半身のトレーニングなどを続けてきたが、26日以降は広島・廿日市市の大野に拠点を移し、トレーナーの助言を得ながらリハビリを進めていく。

右肘の手術は今回で3度目。回復状況を後退させたり悪化させないためにも、開幕から逆算の復帰計画を組むのではなく「自分の行ける、行くんだって気持ちだけじゃなくて、ちゃんと体に寄り添いながら」と、重視するのは体の状態と説明。「日に日にちょっとずつちょっとずつ、1歩下がるときもあるだろうし」と慎重に進めていく。その上で「体がしっかり万全になって、これならいけるっていうような形がより早く出てくるのであれば、もちろん開幕を目指していくし、もうちょっと時間かかるかな、というふうになれば、そこをゴールにせずに、しっかり治してから僕自身開幕していくっていう方があとあと考えたときには」と明かした。

ポストシーズンの最終登板となった10月19日のクライマックスシリーズ・ファイナルステージ阪神戦(甲子園)は、圧巻だった。リーグ王者の阪神に1勝のアドバンテージがある状況で、第1戦は1-4の敗戦。第2戦の先発を託された大瀬良は、7回を3安打1失点(自責0)。ピンチを切り抜けた際には珍しく、感情を爆発させるような激しいガッツポーズも見せた。試合はサヨナラ負けしたが、負けられない試合を託された大黒柱の責任感がにじみ出る熱投だった。

「来年に向けて、まだ大瀬良に希望があるな、くらいにみんなが思ってくれたらうれしいです。もちろん、ぼくの気持ちも。まだまだやれる。体が万全なら」とリハビリをやり抜く原動力になっている。毎日を大事に、復活というゴールに向けて歩んでいく。【堀まどか】

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