ライアンが女子力アップで、打者を“射止める”。ヤクルト小川泰弘投手(33)が28日、都内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、現状維持の1億6000万円でサイン。

4年契約最終年となる来季へ向けて、けが防止を狙いにヨガ、日々の柔軟に着手した。理想の体を手に入れ、自身初の2年連続2桁勝利という甘美な1年を過ごす。

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黒のダブルスーツに、同色のポケットチーフ。大人の色気に身をまとった小川は契約更改を終え「ローテーションとして先発の柱としてチームを支えていきたいですし。チームが日本一になるために自分もしっかり成長できるよう、そういう年にしたいです」と24年への目標を口にした。

口調も渋い雰囲気。そこに少しの“女子力”を加える。「体のメンテナンスとか柔らかさをもう一度出して。打ちづらいボールを投げていきたいと思います」と相手打者のハートを打ち抜く。「けが防止って意味でも、自分の体と向き合って、ストレッチ、ヨガ的な動きとか、そういうのを取り入れて」と理想の美ボディーを手にする。

加齢には逆らえない。来季で12年目。特に柔らかくする部位は股関節、胸郭回り。「結構ほぐれているようで、ほぐれてなかったり」。効果はすぐには出ない。「休めば疲れが取れるかなと思うんですけど、それじゃ足りなくて。ほぐし方や、伸ばし方をこだわってやらないと、年齢も重ねているので大事だと思います」。昔のままの体ではいられない現実を痛感する。

日々のたゆまぬ努力あってこその変化。その美意識の先にしか、新たな自分には出会えない。今季は3年ぶりの2桁勝利を達成。ただ、ここまでのキャリアで、2年連続での達成はない。「そこは通過点として、クリアしていきたい数字ではある」と、うなずいた。「最後は優勝、日本一に。良い景色を見られるように」。美しき、1年とする。【栗田尚樹】

 

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