懐かしいにおいがした。西武阿部真宏1軍内野守備走塁コーチ(45)が久しぶりに横浜スタジアムにやって来た。「交流戦とか以来ですね」と笑う。

3日、横浜スタジアム45周年記念ドリームマッチが行われ、神奈川県内のレジェンド集団「Y45 LEGEND HEROES」のメンバーとして参加した。

「高校野球でも横浜スタジアムでやる時ってお客さんもすごく入るんで、球場の雰囲気もすごくいいですし、大好きな球場です」

試合前の練習も、後輩選手よりも率先してグラウンドに出ていた。横浜高校の出身。名門の主軸であり、盤石の遊撃手。小倉清一郎部長(当時)からは「歴代NO・1遊撃手」と評価されたこともある。

「他にもすごい先輩がいっぱいいて。特に、3つ上の平馬さん(=平馬淳氏)がいて、法政大学でも一緒で目標にしてやっていたので。(小倉元部長に)そう言っていただけるのはうれしいです」

高校時代は2年夏に日大藤沢に決勝で敗れた。3年夏に決勝で日大藤沢にやり返した。「負けて、最後に勝てたのが、すごくいい思い出ですね」と懐かしむ。

近鉄、オリックス、西武と渡り歩いた12年間のプロ野球生活を経て、指導者人生に。来季からは1軍内野守備走塁コーチを務める。外崎、源田の二遊間は盤石だが、未来を見すえる必要もある。

「レベルは高いですけど、あの2人にいつまでも任せてばっかりにはいかないと思うので。キャンプからしっかりやっていきたいなと思います。現状でいうと二遊間の後釜もそうですけど、まずは三塁に入る選手をしっかりやっていかないといけないかなと。丁寧に、一緒になってやっていきたいなと思います」

試合では鈍い遊ゴロを前進して難なくさばいた。打席では走者一塁で遊ゴロを打ったものの、懸命に走って併殺は逃れた。27年前の青春のように駆け抜けた。【金子真仁】