DeNAから国内FA権を行使した石田健大投手(30)が、残留する意思を固めたことが15日、分かった。熟考を重ね、FA申請期限最終日の11月14日に書類を提出。他球団からのオファーを待ち、同29日にヤクルトと初交渉した。両球団と複数回交渉を重ね、悩み抜いた末に決め手になったのは“横浜愛”だった。

関係者によれば、ともに4年総額4億円以上の複数年契約を提示されたが、年俸に限ればヤクルトが上だった。小川GM、高津監督からは優勝するためのピースとして強く求められ、心は揺らいだが、ふとした時に頭をよぎるのは、マウンドから見るハマスタのスタンド、タオルを掲げるファンの姿であり、その思いに応えたいと思う心だった。

FA宣言する時も、残留を決断する時も、妻は寄り添いながら、意思を尊重してくれた。「あなたが決断した道が正解だから」。新天地となるヤクルト。強い愛着と恩義を感じるDeNA。ともに人生を懸けて勝負する場所に変わりなかったが、入団時に夢見た「ベイスターズで優勝したい」思いが勝った。

運命に導かれるように、入団時から目標とし、背中を追い続ける三浦監督と同じ道を進む。現役時代にFA宣言した指揮官は、阪神移籍か残留かで悩んだ末に、“横浜愛”で残留を決断。その三浦監督からは自身の経験も踏まえながら、熱い言葉で思いを伝えられた。ただ純粋に、大好きな横浜で歓喜の瞬間を迎えるために、腕を振る。

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