ソフトバンクは11日、FA加入した山川穂高内野手(32)の人的補償として、甲斐野央投手(27)が西武に移籍すると発表した。西武は当初、日米通算163勝の和田毅投手(42)の指名を打診したが、チームの顔の流出に対する反響の大きさなどを鑑みて、両球団が話し合って急きょ方針を転換。最速160キロの剛腕・甲斐野が選び直される急展開で、人的補償問題は決着した。

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甲斐野は、愛されるムードメーカーだった。故障から1軍復帰した際には、取材の冒頭で「ただいまです!」と元気よく一礼。昨年ブレークした阪神村上は、東洋大の2学年後輩。村上に最初にフォークを伝授したのが甲斐野だという。「教えたすけどね、多分あいつ、もう参考にしてないっすよ。多分、多分ですけどね。ネタ作りで言ってるだけですよ」と笑っていた。

新年初めて甲斐野と顔を合わせた時、立ち止まり、お辞儀をされて言われた。「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします!」。当たり前のことかもしれないが、礼儀正しい男だと思った。西武移籍に伴い、球団から配布されたコメントには「今後のホークス戦でも、こっそり僕だけ応援して欲しいです」とひとボケ。その明るさでもチームに活気を呼んでいた投手が、ホークスを去る。【ソフトバンク担当=只松憲】

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