マウンドで逃げるな! ソフトバンク又吉克樹投手(33)が19日、自主トレ先のタマスタ筑後で野球殿堂入りした谷繁元信氏(53=日刊スポーツ評論家)から中日時代に授かった金言を明かした。13年ドラフト2位で中日に入団。谷繁氏の下でプロキャリアをスタートさせた。今季でプロ11年目。恩師の教えを胸に刻み、区切りの500登板&200ホールド達成で恩返しを誓った。

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感謝しきれない。又吉はルーキー時代を思い起こし、今でも忘れられない言葉を打ち明けた。

「マウンドで逃げるな」

野球殿堂入りした谷繁氏からプロ2年目に授かった金言だという。「谷繁さんと出会えていなければ、僕の野球人生は2年目ぐらいで終わっている。それくらい過ごした時間は大きい」と振り返った。

マウンド上では常に孤独。当然、恐怖心が芽生えることもあった。弱気を隠そうと「できるはず。抑えられるはず」と根拠のない自信をみなぎらせ、見えを張った。「マウンドは怖いものだと自覚できれば、怖さを消す練習ができる。それは結局、1人で練習するしか身につかない。そういう話しもしてもらった」と言う。

13年ドラフト2位で中日に入団した。当時、谷繁氏は選手兼任監督の1年目。「いろいろ怒られながらも、辛抱強く使ってくれた」。ルーキーイヤーに67試合登板。9勝1敗、2セーブ、24ホールド、防御率2・21をマーク。バッテリーを組む機会もあり、「打者が投手に集中していない。対投手じゃなくて対谷繁さんになっている」と捕手谷繁のすごみも肌で感じた。

プロ10年間で463試合に登板し、167ホールドを積み上げた。節目の500試合登板、プロ野球史上4人目の200ホールドも視界に入る。「記録を達成して恩返しが、できればいいかなと思っています」と大偉業実現へと向かう。

自主トレでは2軍施設でボールの「出力」を意識。キャッチボールでは「去年よりも出力は出ている感じはする」と順調な仕上がりぶりだ。2月1日のキャンプインまでに、今後は2度のブルペン入りを予定する。

昨季はワンポイント、火消し、回またぎと臨機応変に対応した。昨季46試合に登板した甲斐野がFA山川の人的補償で西武に移籍。自らの役割を「便利屋」と表現する右腕への負担は大きくなる。「いろんなところで投げることを求められる。結果的に一番マウンドに上がれてればいい」。恩師の教えを胸に、シーズンフル回転を誓った。【佐藤究】

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