リーグ4連覇を狙うオリックスが2日、宮崎春季キャンプをスタートさせ、中嶋聡監督(54)が初日から随所に「イズム」を発揮した。「若いメンバーも多いので。細かいところをすべてレベルアップしたい」。底上げを図り、まずは午前のブルペンで動いた。

昨季デビューして4試合に登板した3年目右腕の横山楓を投球後に呼び「野茂さんに個別で教えてもらうから」と指示。訪れた野茂英雄氏(55)に依頼し、宝刀フォークを伝授してもらった。「バファローズOBでもあるし、僕、年も一緒なんで。いいヒントになれば。フランクに教えてくれた」と感謝した。

メニュー全体としてこの日は個別練習を多めに。「選手それぞれ体力、立ち位置、求められているものが違う。個人練習が長くなるのは当然だし、チームプレーはコンパクトに精度を上げて」。一方で2軍監督時代、キャンプで2軍選手を1軍より先に引き揚げさせたこともあった。メリハリをつける中嶋流は健在だ。

A、Bのグループ分けはフレキシブルで入れ替えも頻繁に行う。早速、コーチ陣もシャッフルした。この日は水本ヘッドをメインと隣の第2球場へ配置し、自らも時折足を運んだ。その間、新加入した西川のフリー打撃を見ていなかった。「(コーチ陣で)どういう共有の仕方にするか」。秋季キャンプで行った方式を継続採用した。

またAグループに育成投手を5人も含めた。「どのくらいで実戦に入れるのかというのも込めてA、B分けている」。支配下登録を狙う選手には、おのずと競争意識が働く。

就任4年目へ、入り交じる感情の一端を明かす。「大変な1年が始まるんだなと、だんだんだんだん思うようになった。楽しみもある。微妙なんですよね。最後の最後まで戦いたい」。2年ぶり日本一への道のりが始まった。【大池和幸】

▽オリックス横山楓(野茂氏にフォークを教わり)「親指の位置を変えただけで、いい回転が入った。こんな簡単に落ちるんだとびっくりした。結果出してない選手に野茂さんをあててくれて(監督に)感謝ですね」

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