ヤクルトのドラフト2位松本健吾投手(24=トヨタ自動車)が沖縄・浦添キャンプ休養日の5日、1人旅に出た。あいにくの雨の中、向かった先は宿舎近くの首里城。19年10月に火災の被害を受けた場所で歴史に触れた。焼失した正殿は、宮大工の手により、復元工事の真っ最中。焼け残った2本の「大龍柱(だいりゅうちゅう)」も展示されていた。「早く復興してほしいですね」と食い入るように見つめた

例年、1回目のキャンプ休養日は新人観光が行われてきた。ただ、今年は1軍に新人は松本健1人。人数が少ないこともあり、海ぶどう養殖施設の見学などは見送られた。「寂しいですけど、仕方ないですね」と“単独新人観光”を始めた。東海大菅生3年の修学旅行以来となる首里城。「当時のことは覚えていないですね」と笑った。改めて見る歴史の軌跡。「本当にすごい建物」とかみしめた。

球界に「松本健吾」の歴史を刻む。前日4日までの第1クールでは、2度のブルペン入り。順調に調整を進めれば、21日の楽天との練習試合(浦添)で、対外試合デビューする。2イニングを投げる予定。「焦らず、慎重になりすぎず、周りに流されすぎず」と那覇市内の町並みを見つめた。「ローマは一日にして成らず」。球史に名を残す旅は始まったばかりだ。【栗田尚樹】