22年ドラフト1位の西武蛭間拓哉外野手(23)は「質」「実」「量」を意識しながら、打撃力アップに取り組んでいる。8日、宮崎・南郷で行われている春季キャンプの練習に「潜入」。プロ2年目、外野のレギュラー候補として期待される若き左打者が、バットを振り込んだ。

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プロ2年目、外野のレギュラー候補蛭間の1日は早朝から始まった。全体組が練習開始する前の午前8時30分に球場で体を温め、9時前に室内練習場に移動。打撃の1日が始まった。嶋打撃コーチの指導を受けながら、スタンドティーに置かれる球を打ち始めた。「フォームを固めるということを意識して」。前半は片手で、後半は両手でバットを握り、1球1球スイングを確認するように振った。

早出練習では70本振り、「質」を意識した。時折動きを止め、嶋コーチの話に耳を傾けた。同コーチは「肩を張ってしまって、力んでしまったら、腕が自由に使えない。(両腕をリラックスさせて)赤ん坊を抱くように」と、かつて西武でコーチを務めた土井正博氏(80)の教えを継承するようにアドバイス。蛭間は早速実践した。

全体練習ではキャッチボール、ペッパーなどをこなし、フリー打撃で57スイング、ティー打撃で53本を振った。午後からは室内にこもった。個別練習でまずは走者を置く場面をイメージしながら約1時間、セーフティーバントや進塁打を打つ「実」を想定。その後はマシンと向き合った。200球以上のボールをはじき返し、昨年のキャンプと比べても「全然多い。打ち込んでという感じです」と「量」も積んだ。練習場を出たのは午後3時半過ぎ。この日約7時間、チームの誰よりも多くバットを振った。

昨季は出場56試合で、打率2割3分2厘、2本塁打だった。松井監督は「体が大きくなったんじゃないかな。オフの間、いい取り組みをしてきたんでしょうね。これから期待しかないですよ」と評した。蛭間は「今年は絶対にレギュラーを取って、優勝と日本一に貢献したい。やるしかないのでしっかりとやり込みたいと思う」とアピールする。【山崎純一】

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