即戦力ルーキーがニューアイテム“加藤貴のトリセツ”をゲットした。

日本ハム進藤勇也捕手(21=上武大)が17日、加藤貴之投手(31)のブルペン投球の捕手を務めた。終了後は球界屈指の制球力を誇る左腕から「(サインに)首振らないから」と、配球すべてを託された。1年目での定位置奪取へ、開幕ローテーションに確定している“北の精密機械”の特長を把握し、テンポ良く投げさせることから、覚えていく。

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次代を担う進藤が、進化へ不可欠なアイテムを1つ、手に入れた。抜群のコントロールを誇る左腕の球を受けるのは、この日が初めて。カーブ、スライダー、カット、チェンジアップ、フォーク、シュート、スラッターなど多彩な球種を体感。22年にシーズン最少四球記録を更新した球界屈指の制球力に「いやあ、すごいですね。構えたところにビタビタ来るので、びっくりしました」と驚いた。

終了後は建山コーチを加え3人で“プチ講習会”。青髪の左腕からは「オレ、面倒くさいから基本的に(サインに)首振らないから」と伝えられ、建山コーチには「(加藤貴は)抑えるバッターは抑えるけど、打たれるバッターには打たれるから」。分かりやすい2人の“告白”に、進藤は「こちらも責任をもって考えないといけない。ピッチャーの意見や情報は、大事にしたい」と肝に銘じた。

加藤貴が捕手のサインに首を振らないのは決して「面倒くさい」だけの理由ではない。サイン交換に時間を割かないことで、テンポよく投げ、相手打者にリズムをつくらせない。言葉裏に隠された狙いまで察した進藤は「ピッチャーだけがテンポをつくるのではなく、キャッチャーも返球が遅いとテンポができづらかったりする。返球にもこだわってやっているので。そこは、大丈夫」。“自分で考えさせる”加藤貴先生の意図は、しっかり伝わった。

建山コーチは「今はたくさんピッチャーの球を受けて、コミュニケーションをとって意思疎通しているところ」。既に開幕投手伊藤のボールを受けた際、本人から“大海のトリセツ”を入手済み。開幕ローテ確定投手で、まだブルペンで受けていないのは山崎とバーヘイゲン。残り2つのトリセツをそろえ、強肩強打だけでなく、女房役としての信頼も、勝ち取る。【永野高輔】

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