昨秋に右手首を手術した日本ハム矢沢宏太投手(23)が21日、2軍の沖縄・国頭キャンプで実戦形式のライブBPに登板した。打者4人(計7打席)に31球を投げ、安打性1本で3奪三振、7割の力感で最速143キロをマークした。野手としても患部の影響はなく、順調に調整中。投打の今季初実戦のスケジュールも見通しが立ち、ここから2年目を迎えた矢沢の投打二刀流が本格化する。

   ◇   ◇   ◇

矢沢は笑顔だった。今キャンプ2度目となったライブBP。高卒ルーキーの明瀬(2打席)、浜田(2打席)、平田(2打席)、高卒2年目の藤田(1打席)に対して31球を投げ、真っすぐで空振り三振を3つ奪った。「前回(12日のライブBP)よりは良かったです」。手応えを感じたのは、投手としての飛躍の鍵を握る脱力フォームだ。

矢沢 どこも力を入れずに体の重心移動だけで投げる感じでまとまってきた。これで出力を上げられたらいいかな、と。

この日は7割の力感で投げて最速は143キロ。12日は7割以上で「『ちょっと力んで1回投げてみます』っていう話もして、あえて力んで投げて140ちょっとだった」という。この日は球速も上がり、制球もまとまった。取り組みの方向性が間違っていないことを再確認。1年目の昨季は左投げ左打ちの二刀流ならではの壁にぶつかっていた。

矢沢 打撃は体重移動を自分で操作するけど、投球は傾斜に沿って自然と移動する方がいい。去年は打撃練習をいっぱいしたので(投球でも)そっち寄りになっちゃって。そこが難しくて(投球では)力みが多くてかみあわず(制球も球質も)バラバラになった。(投打で)感覚を分けないと、ごちゃごちゃになっちゃう感じはありました。

打撃に引っ張られた投球フォームからの脱却が必要と実感。投打で意識や体の使い方を切り替えることをテーマに、国頭でじっくり調整を進めてきた。

野手としても昨秋手術した右手首の影響もなく、順調に調整中。22日には国頭で斎藤のライブBPに打者として対戦し、23日の韓国サムスンとの練習試合(名護)に出場予定。投手でも3月1、2日の教育リーグ、オイシックス戦(エスコンフィールド)で今季初マウンドを迎える予定だ。

矢沢 楽しみ。ゲーム出たいっすね、早く。

二刀流2年目の本格始動へ準備万全だ。【木下大輔】

【関連記事】日本ハムニュース一覧