“伝統の前哨戦”で24年のオープン戦が開幕する。巨人は23日、阪神と対戦。3月29日の24年シーズン開幕戦(東京ドーム)と同一カードとなる。地元・那覇市出身で新選手会長の大城卓三捕手(31)は守り神シーサーのごとく扇の要を担い、主砲・岡本和真内野手(27)も正々堂々の勝負を宣言した。連覇を目指す阪神岡田彰布監督(66)は、巨人阿部監督の超積極走塁宣言を貫禄十分に受け止め、日本一メンバーを隠すことなく起用する方針だ。

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大城卓が守り神としてチームを見渡した。地元・那覇の太陽による日焼けで顔を真っ赤にしながら「勝つことに越したことはないですけど、みんなやりたいことや、やるべきことがある」と静かに話した。今季はドラフトやトレードで新加入投手が1軍キャンプメンバーだけでも7人加わった。扇の要として、吹き込まれる新風をシーサーのごとく招き入れ福を呼び込む。

ブルペンでは口を開いて対話を重ねた。キャンプ初日、クイック投法が特徴のドラフト1位ルーキー西舘のボールを岸田が受けていると、「ちょっと受けさせて」とマスクをかぶった。ソフトバンクから加入した下手投げの高橋礼には、チェンジアップがより直球に近い軌道から落ちるよう改良を促した。オープン戦などの対外試合を「お互い話し合ったり、自分も練習でやってきたことを実戦でしか試せない部分もある」と開幕までの試金石にする。

実戦ではマスク越しに口元を引き締める。打者との対戦を経験し「ピッチャーの特徴は把握できるようになっている」と充実したブルペン陣に手応え感じている。まずは阪神戦に向け「実戦でしか試せない部分もある。見といてください」。守り神が新生巨人に幸運を呼び込む。【黒須亮】

▽巨人戸郷(23日阪神戦で1イニング限定で先発)「一番は元気に投げられること。まっすぐにどんな反応をするか見てみたい。結果を求めつつ良いものを出せたら」

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