会心の“どすこい弾”だ! 西武からFA加入したソフトバンク山川穂高内野手(32)が“移籍後初アーチ”を描いた。今季初の対外試合となった台湾・楽天モンキーズ戦(宮崎アイビー)に「4番一塁」で先発。3回に左翼ポール際へ勝ち越し&決勝の2ランを運んだ。ベンチ前では西武時代からおなじみの「どすこいポーズ」も披露。昨季は不祥事で17試合出場に終わり、再起に燃える新大砲が本領発揮した。

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「どすこ~い!」。移籍後初アーチを放った山川の決めぜりふが南国・宮崎に響き渡った。三塁側のベンチ前で観衆を引きつけた。西武時代から何度もやってきた「どすこいポーズ」。柳田に「どすこい、見たい」と促され、一緒になって新天地で初めて披露した。山川は「誰かに求められればやります。球場のみんなと1つになって盛り上がることはいいなと思って始めたものなので」。球場全体が大いに盛り上がった。

名刺代わりの1発は豪快だった。3回。3番柳田が同点二塁打を放った直後、相手右腕の初球、甘く入った127キロ変化球を懐に呼び込み、一振りで仕留めた。「甘い球が来たらしっかり打ち返していく」。シンプルな意識を貫き、打った瞬間に確信歩きした。左翼ポール際、もう少しで場外という勝ち越し、決勝の2ラン。5回も左前打を放ち、今季初めての対外試合で2安打2打点をマークした。本塁打王3度、通算218発の実績を証明した。

結果を残しても、謙虚な姿勢は忘れない。昨季は不祥事を起こし17試合の出場にとどまった。FA移籍の際はファンから獲得を疑問視する声も上がった。今キャンプではチーム本隊より早く球場入りし、居残り特打も行う。野球と真摯(しんし)に向き合っている。この日の試合後、真っ先に帰りのバスに乗り込む主力もいたが、山川が向かった先は室内練習場だった。約1時間、黙々と汗を流し「体が元気であればやるようにしています。室内で打ち終わって1日が終了という気持ち。それがルーティンです」と言った。

「4番山川」の一打に「結果を出したのはさすがか?」と問われ、小久保監督は「もちろんです」と即答。「勝ち越しホームランでしょ? 本人にしても相手ピッチャーがどうのこうのじゃなく1発目の試合で結果が出たらうれしいでしょうね」と目を細めた。山川は「僕は僕にできることをやっていく。今日打ってうれしいですけど、また明日打っていくだけです」と気持ちを引き締め、球場を後にした。【佐藤究】

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