俺もいるん打! ソフトバンク中村晃外野手(34)が2安打2打点で開幕スタメン争いへ猛アピールした。

韓国・斗山との練習試合に「5番一塁」で出場し、左前と中前にともに適時打を運んだ。持ち味のしぶとさ、得点圏での勝負強さを発揮。一塁手を争う山川による特大2ランから一夜明け、今度はプロ17年目のベテランがバットで魅せた。

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中村晃が真骨頂を見せた。1回2死二塁。追い込まれてから斗山の右腕の内角球を逆方向に流し打ち。華麗なバットコントロールで走者をホームにかえした。「追い込まれてたんですけど、その中でしっかり対応できたかなと思います」。17年目のベテランは、いつもと変わらずクールに対外試合の初安打初打点を振り返った。

「自分のできるバッティングをしっかりやるだけ」と話す男には強敵がいる。前日24日の台湾・楽天モンキーズ戦では、FA加入した山川が移籍後初アーチとなる特大2ランをかっ飛ばした。中村晃にとっては一塁を争うライバルだが、一夜明けて自分のバットで「俺もいるぞ」と言わんばかりに存在感を出した。「あんなホームランは僕には打てない。プレースタイルは全然違う。ポジションは一緒ですけど、いい刺激をし合っていけばいい」。

山川も中村晃に対しては「守備はどうやっても勝てない。ヒットを打つのも多分かなわない」と認める。山川が大砲なら、中村晃はしぶとい安打製造機。小久保監督も「晃はああいうバッティングが売り。ずっとあの立場でやりながらしぶとく生きてきているのが彼の野球人生ですから。彼の良さはそのまま出せばいい」とうなずいた。

5回2死二塁の好機でも中前適時打で2安打2打点。「やっぱりああいうところで1本タイムリーが打てるというのはすごく大事だと思います」と自身も納得の一打だった。「なんでもやらないといけないと思います。(打線を)つなぐことも、(走者を)かえすことも、チャンスを作ることもしないといけない。そうやってやってきたんで。自分で考えて、場面場面で対応できるのが持ち味かなと思います」。己の役割は理解している。

今キャンプでは体調不良による離脱もあったが「やりたいことが100%出来たわけではないですけど、それなりには出来た」と調整は順調の様子だ。昨年は球団で初めて一塁で4年連続のゴールデングラブ賞を受賞した名手。山川とは違うアピールを続けていく。【只松憲】

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