阪神才木浩人投手(25)が、3月31日の巨人との開幕カード3戦目(東京ドーム)に先発する可能性が3日、浮上した。3日に日本ハムとのオープン戦(札幌ドーム)に先発し、4回1安打無失点。岡田彰布監督(66)は「逆算したらいけると思う」と、今後も日曜日に中6日での登板を重ね「3・31」に向かうことを示唆。連覇を目指す虎の開幕ローテーションの輪郭が徐々に見えてきた。チームは逆転負けで、19年以来5年ぶりのオープン戦開幕5連敗を喫した。

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ヒヤリとする周囲をよそに、才木は涼しげな表情だった。3回2死、伏見の打球が左足首付近に直撃。1度はベンチに戻り治療を受けたが、すぐにマウンドに戻ってきた。直後の郡司を151キロ直球で空振り三振。4回1安打無四球無失点で、日本ハム打線に二塁すら踏ませなかった。「全然骨とかじゃないので大丈夫。くるぶしの横くらいなので。治ります。治りました!」。笑顔で、患部は問題なしと強調した。

2月25日の中日戦(北谷)以来、中6日での登板。前回の3回2失点から問題なくイニングを伸ばすと、岡田監督は「まあ才木は順調で、なあ。逆算していけると思うけどな」とプランニングに入った。このまま日曜日を中6日で回れば、3月31日は巨人戦。敵地東京ドームでの開幕カード「伝統の一戦」の3戦目を、仕上がり上々の右腕に託す流れが自然だろう。同じ間隔で10日の巨人とのオープン戦(甲子園)に登板すれば「G倒」の予行演習にもなる。

才木は昨季、巨人戦はカード別最多の5試合に登板。3勝1敗、防御率2・56と好相性で通算成績で見ても10試合で防御率2・57と苦にしていない。現状、同29日の開幕ゲームはリーグMVP右腕村上、昨季の開幕投手青柳の一騎打ちの模様。才木が3戦目に入れば、2戦目に左腕を起用する「ジグザグローテ」をつくることができる。岡田監督は2年連続Bクラスに終わった巨人を「相当な覚悟を持ってくる」と警戒しており、開幕カードで撃破できれば最高のスタートになることは間違いない。

才木は「こんな感じで毎回いけたらいいなと思いながら、そんなの無理よなと思いながら…。今日ぐらいのテンポでいけるように頑張ります」と、この日の41球を振り返った。サンデー才木は視界良好だ。【中野椋】